白虎加人参湯の加味方が奏効した尋常性坐瘡(にきび)9

患者は21歳、女性。約1ヶ月前から肘窩と膝窩に皮疹が出始めた。約1ヶ月前から皮疹は急に全身に拡がり、近医(皮膚科)に行って塗り薬をもらったが改善せず、知人の紹介で当院を受診した。
体格・栄養とも中等度(156cm、50.5kg)。睡眠も食欲も普通で、便通は1日1行、排尿回数は日中3〜4回で夜間は0回。口渇はなく、汗はかきやすく、目まいや立ちくらみはなく、顔のほてりや手足の冷えなどはない。生理は順調で生理痛はない。
脈はやや沈・小・弱で血圧は96/52mmHg。腹候は腹力はやや充実していて、両腹直筋の攣急が軽度にあり、胸脇苦満や臍傍の圧痛点はなく、その他に特別の所見はない。
皮膚は乾湿中等度でやや白く、尋常性坐瘡の皮疹が顔面に著明に認められる。またアトピー性皮膚炎の皮疹が頚胸部、項背部、四肢などに以下の写真のように認められる。
検査所見ではIg E(337)、好酸球白血球(7.5%)、RASTでスギ(4+)、ハウスダスト(4+)、ネコのフケ(2+)となっている。
全体像から判断して、やや実証の傾向であり、基本薬方として白虎加人参湯を煎剤で処方した。すると、アトピー性皮膚炎の皮疹が改善するばかりか、尋常性坐瘡も以下の写真の通り改善していった。
右腕前面 右腕背面 右足前面 右足後面
左顔面 右顔面 胸 部 背 部

初診時 1998.10.23
約2週間後 1998.11.06
約3ヶ月後 1999.02.05
約7ヶ月後 1999.06.10

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