アトピー性皮膚炎12:瞑眩(めんけん)の症例--白虎加人参湯

8才の女児がアトピー性皮膚炎のため来院した。2歳の頃からアトピー性皮膚炎があり小児科や皮膚科で加療されてきた。副腎皮質ホルモン外用剤で一時的に良くなるが完治せず、最近は家庭薬(オロナイン)を使用し、寝る間は包帯をして、掻かないようにしていた。現症には特記することはなく、型通り白虎加人参湯(1/2量)を与えた。初診時は湿疹は軽度で写真も撮影しなかった。しかし、1週間後皮疹の悪化を訴えて予定よりも早く来院した。顔面の頬部がやや浮腫状となり、発赤と落屑が増強していた。しかし、一過性の増悪(瞑眩めんけん)と考えて、同一処方を今度は普通量で継続した。一週間後には発赤が減少し、さらに一週間後には順調な経過であった。そのまま同一処方を持長し、5ヶ月後にはほぼ完治した。その後8年が経過するが、再発せず元気にしているとのことであった。

1、2、3、5週間後、5ヶ月後の顔面-正面、顔面-側面、腕の皮膚所見を下に提示します。
1週間後
2週間後
3週間後
5週間後
5ヶ月後

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