柴胡桂枝湯加黄耆が奏功した尋常性乾癬

患者は50歳、女性。約5〜6年前より、夏になると腕や背中に皮疹が出てきて、そのつど皮膚科でステロイド軟膏を塗ってなんとか治っていた
今年(1993年)もまた皮疹が出現してきて、漸次増悪してきたので、某市立病院の皮膚科を受診し尋常性乾癬と診断された。新聞で漢方が良いと知って、8月11日近畿大学東洋医学研究所附属診療所に来院した。
体格、栄養は中等度、胸腹部と背部と大腿部の前後面に紅い皮疹が著明であり、さらに両腋窩、両前腕、両外耳道部にも皮疹が見られた。
証にしたがって柴胡桂枝湯加黄耆を処方した、2週間後には皮疹の潮紅の度合いがやや減少したので、同方を持重していった。1.5ヶ月後、3ヶ月後には明らかに紅斑が消退していった。その後5年5ヶ月が経過しているが、再発はみられていない。
大腿部前面 腹 部 腰 部
左大腿部後面 腋 窩 その他

初診時
2週間後
1ヶ月2週間後
3ヶ月後

前のページへ このページのトップへ 一つ後へ

閉じる