柴胡桂枝湯加黄耆が奏功した尋常性乾癬3

患者は62歳、女性。約2年前より、下腿に皮疹が出始めた。近医や皮膚科で治療を受けたが改善せず、薬局からクロレラをはじめとして色々な健康食品を服用してみたがそれも効果なく、皮疹は全身に拡がってしまった。心配して医療機関をいろいろ調べてくれた兄のすすめで1999年11月2日近畿大学東洋医学研究所附属診療所に来院した。
体格は小さいが栄養は中等度。腹侯は腹力中等度、胸脇苦満が軽度にあった。臀部をはじめ四肢すべて鱗屑を伴った紅斑(※初診時の他の部位の所見)が見られ、尋常性乾癬に特徴的な所見であった。証に従って柴胡桂枝湯に黄耆を加えて煎剤で処方した。すると皮疹は順調に改善していき、7ヶ月後にはかなりの改善が得られた。しかし、その1ヶ月後には再び増悪してしまった。前の例のことがあったので、服用薬剤を詳しく聞きただすと、新たに降圧薬のCa拮抗薬(ノルバスク)が処方されたことがわかった。そこで、ノルバスクの服用を中させるとともに、食事でも甘い物の制限を徹底させることで、さしもの乾癬も治っていった。
臀 部 右肘〜前腕後面 右下腿前面

初診時 1999.11.02

※初診時の他の部位の所見
7ヶ月後 2000.06.14
約8ヶ月後 2000.07.14
約1年後 2000.11.17

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