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お盆明けから診察時間を変更することになり、また、慈温堂のホームページも新しいデザインで始まりました。内容はほとんど同じなのですが、新しいコーナーとして今月の勉強会というものを設けました。

第一回は、慈温堂を受診する患者さんで圧倒的に多い疾患である皮膚疾患に対する注意事項をここで改めて記載しておきたいと思います。このことは来院する患者さんにも「慈温堂への質問」で問い合わせてくる患者さんへも必ず注意している事柄です。
当院では皮膚疾患で来院する方は、アトピー性皮膚炎の患者さんが圧倒的に多く、その経験から得た知見として、様々な皮膚疾患で共通する重要なことが下記の事柄です。

皮膚疾患を増悪する因子として最も気をつけるべきことは、甘い物の摂取です。この甘い物というのは、洋菓子、和菓子に関わらず、口に入れて甘く感じるものは全て含まれるとお考え下さい。果物も食べ過ぎると果糖という糖分が含まれていますので、これに含まれます。特にジュースにした場合は、少し飲むだけでもいくつ分の果物が摂取されたことになりますので、要注意です。野菜ジュースといえども、今は果汁で飲みやすくしていますので、同様です。また、炭酸系その他の清涼飲料水も糖分が含まれていますし、やや軽いですが、スポーツドリンクも水やお茶に比べれば糖分はかなり入っていることになりますので、習慣的に服用していれば、同様です。
次に多いのが、もち米類(おもち、おこわ、おかき、おせんべい等)の摂取です。 

「上記の食習慣が皮膚の状態を悪化させている最も大きな要因となっているようだ」 というのが、当院で得られている知見です。しかし、何故そのようになっているかという機序までは説明できません。多くの患者さんを診ていて、解ってきた事柄だからです。 皮膚科では様々な皮膚疾患に対して、ステロイドが使用されることが多いようです。ステロイドは、皮膚科のみならず、各科で用いられていますので、有用な薬であることは間違いありませんが、副作用もまた多いものです。上記の食習慣も注意しながら、ステロイドを使用していくならば、ステロイドの量や使用頻度も少なくしていける可能性もありますが、食習慣を全く顧みずに使用している場合は、ステロイドもだんだん強い種類に変更していかなければならなくなるし、薬も効きにくくなります。

ステロイドの副作用のためにやめたいという希望で来院してくる患者さんも多いのですが、注意しておきたいことは、ステロイドは強いものを長く使っていた場合ほど、使用を中止したり、減量していく場合はある程度期間をかけて徐々に減らしていく必要があります。いきなり止めると、リバウンドがほぼ必発ですので、今の皮膚の状態をさらに悪くしてしまうからです。悪化した皮膚に細菌感染などが絡んでくるとさらにやっかいなことになります。

当院に来院してくる患者さんも多くの場合は、ステロイドや抗アレルギー剤を既に使用していますので、それらをすぐにはやめないように注意し、食生活の改善と漢方薬によって、皮膚状態が改善してきてから、徐々に少なくするように指導しています。

その他、精神的ストレス、紫外線、ステロイドを中止した際のリバウンドなどの他、 人それぞれ特有の合わない食品や接触するもの(化粧品、石けん、シャンプー、リンス他)などもありますが、上記の食習慣が頻度として圧倒的に多いのでこれらを意識的に注意することが何よりも大事です。

1日の3度の食事は普通に摂ってもいいですし、おかずに少し甘みをつける程度は特に問題ありませんが、間食に注意することが大事です。

当院では、「3〜4ヶ月の間は間食をピタッと止めると改善効果が見えてきますよ」と指導しています。但し、子供の場合は、あまり厳密にやるのは難しいし、ストレスにもなるので、過剰摂取にならないように気をつけてもらっています。

その他、便通も大事なことです。便秘が皮膚疾患の増悪要因となっている人もいます。1日スムーズな便が1回でも2回でもでるように心がけること(野菜などで食物繊維を充分に摂取し、水を飲む、適度な運動で、腸管を刺激する、嫌いでなければ、プレーンヨーグルトなどで、腸内細菌を整える等)も指導しています。自分で改善できることはしてもらい、それでも便通が悪い場合は、漢方薬で便通をよくする生薬も適宜加えていきます。

種々の皮膚疾患に対して有用な漢方薬も見いだしてきていますが、上記の食習慣が根幹にある何よりも重要なことがらですので、それを全く無視して漢方薬のみで改善させようとしてもなかなかうまくはいかないというのが当院での印象です。

軽い皮膚疾患であれば、特に何らかの薬を飲まなくとも、上記のことを注意するだけで良くなる可能性があります。

今現在、様々な疾患が食習慣のみならず、喫煙やアルコールの過剰摂取や運動不足等の生活習慣が関わっていることが解ってきていますので、少なくとも自分の健康を気遣ったり、今罹患している病気を改善したいと望むならば、何らかの薬に頼るという意識から、まずは自分の生活習慣を改善するという意識へ変更することがなによりも重要であることは言うまでもありません。

新しいコーナーの開始にあたって、「自分の健康は自分で守る」という大前提にもう一度改めて留意してもらいたいと思います。

遠田弘一


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