以前のトピックス

11. 癌と漢方薬

 e-mailによる漢方相談コーナーには多くの相談が寄せられていますが、なかでもひときわ多いのが癌の方やその家族の方からの相談です。特に症例コーナーに癌性腹膜炎の腹水の症例を提示しているせいか、癌による腹水についての相談が目立ちます。こうした相談に対して五苓散を多めに服用することをe-mailで勧めたところ、腹水が軽減したとの報告も数人の方から受け取っています。
 西洋医学の常識では癌による腹水は最も治しにくい病態とされていて、漢方薬などで軽減するはずもありません。私自身も入院患者で腹水が軽快したのを経験したときには大変驚きました。主治医が驚く位ですから、他の医療従事者が驚いても無理はありません。
 しかし、よく考えてみれば癌といえども生物の法則に従って活動している細胞群ですから、漢方薬によってその活動が修飾されてもまったく不思議ではありません。幸運な場合には治癒することさえあると思います。
 一方、癌に効くと称する健康食品や民間薬も世にはあふれています。これらの中には本物もあるでしょうが、多くはインチキだと思います。特に法外に高価なものほどその可能性が高いと思います。何故なら、もうけのためには原価がいくらであろうと、法外な値段をつけて、利幅を大きくした方が良いからです。また購買者にも高いものは良いものだろうという思いこみがある上、命が助かるといわれれば大きな出費にも目をつぶるでしょう。
 漢方薬は保険では薬価がかなり安く決められていますので、よほど変な薬局で購入しないかぎり、法外な値段をふっかけられることはありません。副作用もほとんどなく、癌が治らないまでもQOLの改善は確実に保証できます。癌になってしまい、西洋医学から見放されてしまった時には、漢方薬は非常に良い選択肢だと思います。

(雨宮修二)